I’LL CLOSE MY EYES (瞳をとじて)

鈴木輪の最新作が届いた。
例によってアコースティックな広がりの中に、鈴木の声が自然な残響を伴って浮かび、バックのピアノとウッドベースが彼女の歌唱をやや控えめに しかししっかりと支える。実に好ましい「くつろぎの音楽空間」といってよいだろう。
鈴木の声はどこか南部鉄器の風鈴を思わせる質感で涼やかに伸び、ピアノとウッドベースはややソフトだが至って自然、どちらも”木”の質感を感じさせるサウンド傾向である。
今作はCDも入手しているので聴き比べてみた。CDもずいぶん健闘しているが、声の澄んだ質感と伸びではやはりハイレゾに軍配があがるようだ。

(注目ハイレゾ音源 レビュー Net Audio vol20 炭山アキラ )

鈴木輪 ヴォーカル
1967年山口県生まれ。2010年鈴木リエより鈴木輪に改名。
1985年渡辺プロダクションのオーディションで10万人の中から最終審査に選ばれ、歌唱力を高く評価される。
1987年短大1年の時「浅草Jazzコンテストヴォーカル部門でグランプリを受賞。同年オーストラリアシドニーマンリー Jazzカーニバル参加。
その後都内ライブハウス中心に多くのミュージシャンとセッションを重ねる。1998年Jimmy Heath(sax)をゲストに迎えたアルバム「」」 It’s all right with meをリリース後、数々のアルバムをリリース、亀吉レコードからリリースのアルバム「My Reverie」、「Blue Velvet」の2作は評論家が選ぶ最優秀盤に選ばれるなど話題となった。

百々徹 ピアノ
1972年、東京生まれ。。明治大学ジャズ研究会に在籍時から都内のクラブで演奏する。
バークリー音楽院留学後は、演奏と作曲の部門で学内表彰を受け、98年には首席で卒業。
卒業後はNY を拠点に、自己のトリオをはじめ、SOMI、Pete Zimmer、Carolyn Leonhart & Wayne Escoffery、井上智のピアニストとして、世界各国の音楽祭に出演。
オフブロードウェイショー『Sleep No More』のピアニストとしても活躍。

林正男 ベース
1964年東京生まれ。13才でギターを始め、その後、ベースに転向。1993年頃より多くのバンドやセッションのライブやレコーディングに参加。
近年ニューヨーク在住のピアニスト、三上クニのトリオでも活躍している。