オーディオアクセサリー142号の12人の評論家が選ぶ優秀盤オーディオグレード「オーディオ評論家が音質の良いCDを推薦するページ」掲載商品にこのアルバムMy Reverieが選ばれました。
「彼女は常に原曲の持つ美しさを大切にしているように思う。その姿勢が、無用なフェイクや過度の感情移入を避けた自然で素直な歌唱へとつながる。それは一種の気品というべきものであって、1940年代から50年代の女性歌手達がもっとも輝いていた時代に持っていたものに通ずる。現代においては希少なものと思う。 」
鈴木輪(vo), 片桐幸男(g), 後藤輝夫(sax, flute, harmonica, per.)上田隆志(b), 金子正則(ds).★楽曲My Reverieのみ
- Again
- Blue skies
- My reverie
- Born to be blue
- Lover man,
- Red sails in the sunset
- Tea for two
- Que sera sera
- So in love
- Too close for comfort
- Everytime we say goo-bye
- 【楽曲について】(松本光正:ライナーノーツより)
1曲目の”Again“を聴いてみよう。
心地よく響き渡るアコースティックギターの調べに乗って、しっとりとこの名曲を聴かせてくれる。同時にこの1曲からアルバム全体の趣向もうかがえる。そしてアルバムの選曲のセンスの良さもあげておきたい。スモールコンボをバックにスローバラードと、時に軽快なミディアムテンポの曲に程良く歌い分けられている。
前者に代表されるのが”Born to be blue“、”Every time we say good bye“(ハーモニカソロが美しい)であり、後者に属するのが”Blue skies“(ウッドベースがスウィング感を盛り上げる)、”Too close for comfort“である。
テナーサックスのイントロで始まる”Lover man“、ギターとコンガに導かれて歌われる”So in love“の2曲は 特に素晴らしい出来で深い余韻を残す。
曲に戻ろう。
“Que sera sera“はいうまでもなくドリス・デイのヒット曲だが、ウェールズ出身のポップシンガー、メリーホプキンの歌も忘れがたい。
この歌を鈴木も明るくはぎれよく歌っている。ドリス・デイでおなじみのもう1曲”Tea for two“はここではギターだけをバックにしみじみと歌われる。 特にヴァースからの入りが抜群にいい。
「二人でお茶を」という曲だが、「1人でスコッチを片手に」聴きたい。
“My Reverie“は馴染みの薄い曲かもしれないが、ハリージェイムズ楽団のバンドシンガーでもあったヘレンフォレストによる可憐な歌声が残されている。
ここでは、フルートの音色が鈴木の声に優しく寄り添う。 “Red sails in the sunset“。私がこの曲を初めて聴いたペリー・コモのレコード、そのライナーノートには「音に名高き名唱」とあった。あれから早や45年。 鈴木のヴァージョンはゆったりとコンガのリズムがたゆたい、夕暮れの浜辺の情景を鮮やかに映し出して秀逸。(松本光正:ライナーノーツより) - 癒しの鈴木輪のヴォーカルがレトロなサウンドに非常にマッチ。大げさなフェイクもないし、張り上げるような声でもない。かと言って声量がないわけでもない。いや、本来は声量があるのであろうが、確かなヴォイスコントロールで、抑え気味に歌っているのだ。聴いていて飽きない秘密はここであろう。息の使い方が素晴らしいのだ。バックの演奏もシンプルながら、ヴォーカルを引き立てる演奏である。音質も素晴らしい。良いスピーカーでじっくりと味わって聴きたいアルバム。(amazonレビューより)
- 短大生の時に、浅草アマチュアJazzコンテスト・ヴォーカル部門で、グランプリを受賞したジャズ・シンガー、鈴木輪さんのニュー・アルバム。1曲目の「Again」から透明感のあるしっとりとした歌い口に一気に引き込まれてしまいました。あたたかくて艶やか、ココロにしみ入る歌声で名曲を綴ります。絶妙な肩の力の抜けぐあいも本作の魅力のひとつ。スタンダードの名曲に触れられる入門盤としてもお薦めです。 (amazonレビューより)