雑誌にレビューが掲載されました。
第20回日本プロ音楽録音賞を受賞した実績を持つ亀吉レコードの新譜。

鈴木輪の同レーベルからの3作目でありピアノとベースのデュオをバックにしたシンプルな編成で彼女の魅力をストレートに引き出している。
彼女は適度な艶を感じさせる歌声でヴィブラートなどギミックを使わず素直に歌いあげるという印象を受けそれだけにリスナーの耳と心に自然と沁み入ってくる。
スタンダード中心だが、フュージョン系器楽曲であったJサンプル作曲のMelodies of loveなどで彼女の確かなキャリアがわかる。
また、ピアノもベースも極めてナチュラルな質感で捉えられ、コンプレッサーも過度ではなく圧迫感のない伸びやかな音で聴ける。
ヴォーカルの細やかな表情も明晰でウッドベースのピチカートやピアノのタッチもニュアンスに富んでいる。
192kHz/24bitで録音したということだが、スペックは遥かに勝っていても音質は本作より劣っている作品が多いのが現状である。
(無線と実験11月号 小林貢 )